【書評】エロゲー文化研究概論:コレは国会図書館に所蔵すべき!

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総合科学出版社様より、献本をしていただきました。
ですので、恥ずかしながら、すっごく久しぶりのブログ更新です。

 

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本日、ご紹介させていただくのは、「エロゲー文化研究概論(宮本直穀 著/総合科学出版)」です。

これ、すごいおすすめ!マジで......。



著者は、HN「みやも」こと「宮本直穀」さんです。

宮本直穀(みやも)さんのブログ身辺雑感/脳をとろ火で煮詰める日記

宮本直穀(みやも)さんのツイッター

 

......ということで、著書より、作者概要を抜粋してみます。

 

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著者:宮本直穀(みやもと・なおき)

「みやも」のペンネームで活躍しているフリーライター、ブロガー、アニメやマンガなどの二次元メディア全般について執筆し、アダルトゲーム関連を主分野とする。インフォレストの「大全」シリーズへ寄稿し、『ヤンデレ大全』『いちゃラブ大全』では構成を担当。

小説には『修正報告 銀河ツンデレ伝説』(二見書房、2005)がある。関西在住で、アダルトゲームの購入は主に大阪・日本橋の電気街でおこなう。私的に関心が強いのは児童向けアニメと少年漫画。一九八〇年代OVAジャケットコレクターでもある。

ウェブサイト【身辺雑記/脳をとろ火で煮詰める日記http://crusherfactory.net/~pmoon/mt/

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さて、この本を一言で紹介すれば......

 

『教科書・エロゲー30年の現代史』と、いって差し支えありません。

まるで、大学の専攻課程における、テキストのように、エロゲーを取り巻く事実が連綿と並べてあります。

論より証拠、目次を見てもらうと一番よくわかるでしょう。

 

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そして、著者自身も前書きで『イメージとしては、旅人が大きな地図をながめて、道筋や、旅先の土地の周辺全体をざっとたしかめるところを思い浮かべて欲しい。本書はその地図だ』とのべてある通り、この本は『エロゲーの歴史を俯瞰するための書』といえるでしょう。

 

だからといって、教科書みたいに、堅くない。
絶妙なエンタテイメントを感じる構成センスで、文章も大変読みやすく、一気に読めます。

エロゲーを取り巻く事実の羅列に、ここまで感情が起伏するのかと、正直自分でもびっくりしました 。

実は、僕はこの本を読んでみて『全く知らない歴史があったんだな~』という印象です。ここ10年くらい、エロゲーの製作に携わってきたんですが、なにしろ『触手一本槍』。 この本の中に書し てあるメインストリームにはほとんど携わっていません。つまり、この本的には、酒井童人という人間などは、歴史に刻むべきでない、泡沫候補ということにな るんですよね(泣)。

でも、これは、ひがみというわけではなく、エロゲーとはそれくらい、広範な領域であるという意味なわけです。

 

僕は以前から、1970年代から起きている、エロを取り巻く二次元的ムーブメントは、そろそろ『歴史を振り返ってどんどんまとめておくべき事象である』と思っています。

今の日本は、中世ルネサンスの文化隆盛に似ているし、また、江戸の文化文政の反映にも似ている。しかし、印刷技術とインターネットのおかげで、核は一緒でも規模としては、比類にならないほど膨大だと思っています。

ロリ、凌辱、萌え、触手、男の娘、BL、とにかく、現代日本のエロ表現は世界でも例を見ないほど自由度が高い(むろん、規制もあるけれど)んですよね。

アメリカでは1954年のコミックスコードによる表現規制でエロとホラーは壊滅したんですが、日本は、いろんなごにょごにょした事情で、根源的な規制というのはあまりなされていません。

もう、平成生まれがエロゲーのメインユーザーになりつつある今、勢いでやってきた『偉大な歴史』を、どこかでまとめておかないとと思っていました。そんなときに、本書が出てきたのは日本文化にも福音でしょう。

 

さて、本題に戻りますが......。

 

エロゲー文化研究概論を全読了してみて、これは国会図書館に収蔵して後生に伝えていくべき本と思います。


(P.S あとから聞いたんですが、国会図書館は出た本はまるっと収蔵しているそうで、すべき!という以前にされているそうです。そうか、触手学入門もされてんのか。遠い目。で、でも!タイトルかえないもん!内容も変えないもん! 恥ずかしいけど、私の間違いみてぇぇ......)

 

至ってまじめな内容。作りとしては教科書に近い構成。

ほんと、すごい密度です。

 

これで試験が出来そうです。

 

著者は執筆において、エロゲーに対して、過剰な肯定もせず、そして否定もしない、とても中立的な立場で書かれています。

エロゲーの歴史を興味本位に取り上げたのではなく、時代背景と共に論じていることで、エロゲーが時代と共に歩んできたのだと痛感します。再度言いますが、まさにエロゲーの現代歴史書と言っていいでしょう。

エロゲーに直接影響しなくても、結果的に影響を受けた時代を切り取ることで、エロゲーに向けられる『いわれなき風評』を感じることも出来ます。例えばP222の秋葉原連続殺人事件の取り上げ方についても、ただ事実をおいているだけです。

もし著者が、秋葉原連続殺人事件について何か感情的な論を置いたならこれは概論を外れたでしょう。

なにしろ、犯人は二次元には興味がなく「しかし、僕は3次元の女に興味があるのです」と供述しました。彼が秋葉を選んだが故にアニメ・漫画の関連を疑われる結果となったのです。

しかし業界はこの事件に身構えたのは事実です。たとえ犯人が二次に興味がなくても、そう思われる風潮というものは、もう30年変わらないのです。そういう、内情は確かにあったと思います。

しかし、この本はそういったところは、前述した『はじめに』にあるとおり、事実を簡潔に述べるだけで、あえて私情をはさんだりするようなことはありません。


あえて、踏み込まなかった......という感じがします。


とかく、サブカルチャー本は変にカラーをつけて、ノリやフックで売れることを試みようと思う昨今、とても真面目なつくりで好感が持てます。

 

激賞できます!!!

 

僕はここに書いてあることが全てではないことも知っていますし、この『綺麗なエロゲー歴史』という水面の下で、いろんな人々の蠢きがあったことを知っています。

だからこそ、この本は素晴らしいと思うのです。

 

これを肴に、いろんな話を出来る、業界関係者は多いはずです。また、若人々には、エロゲーのたどった軌跡をたぐるシルベにもなるはずです。

 

「エロゲー文化研究概論(宮本直穀 著/総合科学出版)」は、世にはびこるエロゲー専門アダルト雑誌とは一線を画す、文化論の仕上がりで、大変おぬぬめできます!!

■関連リンク

エロゲー文化研究概論【AA】/ 総合科学出版

宮本直穀(みやも)さんのブログ身辺雑感/脳をとろ火で煮詰める日記

宮本直穀(みやも)さんのツイッター

エロゲー30年の歴史をタイトルや当時の社会状況などで綴る「エロゲー文化研究概論」 / アキバblog

 

=========================ここから、ほんとうに,蛇足、スケベエ根性 =========================

 

エロゲー文化論で触れられなかった『触手責めエロの歴史』は、酒井童人がライフワークでこだわっている領域です。

 

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同じく、総合科学出版社様から『真説・触手学入門』が発売中です。

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『エロゲー文化概論』の副読本として、お楽しみ下さい。 ( The 我田引水 )

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