【書評・感想・レビュー】岡本一広氏『めぐる88・第1巻』が → ちょwww空海の教えの現代入門書な件。

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じゃーん!!

岡本一広先生ご本人から「めぐる88」の1巻と2巻の献本をいただきました。

 

ありがとうございます!!

おかげさまで保存用と読む用が出来ました。
感謝感謝。

 

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ほーら、ほーら、サインだぞ!!

 

 

ということで、めぐる88を通して、四国遍路の僕なりの考えを、エロライターらしからぬ感じてまとめてみましょう。


むつかしいかもよw

 

まず、「めぐる88」を紹介するときに僕がすごく迷ったのは、この本をどのジャンルにはめるか......ということです。

エンターテイメント?
帯に書いているような、ちょっとラブコメ・コミカルお遍路日記?

しかし、僕はいろいろと考えた結果。
僕の中でジャンルを決めました。

それは「空海の教えの入門書」。
つまり、ジャンルとして「宗教書」のカテゴライズです。

空海の教えはざっくり一行にすると
「生きてたら、もうそれであなたは仏様なんですからね!」って一文にまとまります。(=
即身成仏

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第一巻で登場する、弱腰主人公「友近太一」。

 

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色欲に溺れた末に、なすがままに遍路の出発点に立った「生名ハルカ」。

 

 

彼らは、どう見ても、僕らと同じ「まったく凡人で、凡庸すぎる悩みを抱えた一般人」に過ぎません。

 

彼らが仏様にみえますか? 見えませんよね。
しかし、それは違うんです。
すでに彼らは、仏様になりつつあるんです。

 

なぜかって、それは、遍路の出発点に立ったからです。

 

禅の無関門に「犬に仏性(ぶっしょう)はあるか」という問いかけがあります。(=狗子仏性

 

犬が仏様になれるの?って禅問答です。
答えは「無」。
なれません、じゃなく「無意味(ナンセンス)」が答えです。(=無)

あほらしい。聞くなボケって、答えたらしいのです。

近年の四国八十八箇所は、自分探しの旅です。
そして、自己満足の旅でもあるでしょう。
そういうのって、気づかなくても空海の教えなんです。

だから「めぐる88」は、空海の教えにもとった修行なんです。

 

四国遍路にあたっては「十善戒(じゅうぜんかい)」を守ることとされています。


  不殺生(ふせっしょう) 故意に生き物を殺さない。

  不偸盗(ふちゅうとう) 与えられていないものを自分のものとしない。

  不邪淫(ふじゃいん) 不倫をしない。

  不妄語(ふもうご) 嘘をつかない。

  不綺語(ふきご) 中身の無い言葉を話さない。

  不悪口(ふあっく) 乱暴な言葉を使わない。

  不両舌(ふりょうぜつ) 他人を仲違いさせるようなことを言わない。

  不慳貪(ふけんどん) 異常な欲を持たない。

  不瞋恚(ふしんに) 異常な怒りを持たない。

  不邪見(ふじゃけん) (善悪業報、輪廻等を否定する)誤った見解を持たない。


とてもすばらしい、まさに修行のための厳かなルールですが。
しかーし、こいつらは、そんな立派なものじゃない。

 

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これは「ここに便所をするな」「ここにゴミを捨てるな」と同じ、警告文的な立て看板的な意味にすぎません。

するから、ある。
煩悩があるから、戒律ができている。


みんなする。それはいい、

しかし、それと向き合え!なんです。

 

四国遍路は、この煩悩と向き合って、その煩悩を捨てて、いや、煩悩を自分で確かめることで、自分の視野を広げる作業です。

 

煩悩を捨てなくてもいい。
心が変わればいい。
具体的に何かがからなくてもいい。

遊びだってイイ。

正直、スタンプラリーで、遍路したっていい。

 

でも、やってみて、なにも心が変わらないことはありません。

さて、めぐる88は第1巻からして「自分探しがテーマ」なのですが、「不邪淫」「不慳貪」まみれのヒロイン「ハルカ」が、この煩悩から一歩だけ解放されるコマがあります。

 

 

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それは、このシーンです。

キレイであるということは、心がキレイと思っている事。
彼女が、キレイになりたいと願う心がキレイと思わせた。

これこそは煩悩が瓦解する瞬間です。

情景描写から登場人物の心情を読み取ることは、国語の超基礎知識です。

綺麗な景色は綺麗な心を示す鉄板描写。

 

だって、悪魔の根城が、晴れ晴れとしたの青空の下で、小鳥ぴよぴよしたメルヘンチックなところにないでしょうが。

 

 

人間不信であったハルカ、流されて無目的に遍路をする太一。
二人の中で、遍路に意味が現れた瞬間です。


こういのって、計算してやってんの? ふっと思いました。


でも、岡本さんのめぐる88を読んで、こういう宗教的なものにつながる読後感が産まれるのは、作為的ではないと思います。

秋元康氏のAKB48的な「不慳貪」を微塵も感じないからです。

だから、そういう意味で岡本さんは「すんごく不器用」だと思います。

純粋に感性でネームつくって、感性で原稿を仕上げた。
だからこそ、そういう純粋さが、めぐる88の作品に清涼さを与えます。

宮沢賢治が「水素よりもっと透明な」という表現を使います。
(例:『春と修羅』補遺

水素とは元素であり、透明という概念はない。
しかし、それよりも透明であることで、超純心を表す。
心のマテリアル、すなわちコア的な語感が産まれます。

 

「めぐる88」の1巻の読みやすさ、

当たり前の内容に、なにかジンとくる感じ

それは、あなたの仏性とのリンクがなされた証です。
僕はこの作品は、押しつけでない宗教の入門書としては最適と思います。

逆に、つまんね、と思ったら、それは今のあなたが幸せな証です。

人生のリトマス試験紙なんですよ。


さて、

2012年4月14日は、第2巻が発売されます。

こちらは「自分の中の宗教性」がテーマとなっています。


その話しは後日......。

 

とにかく、買え!買え!

 


★2巻もレビューしています★

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